CSGOで滑るマウスパッドは使えるのか

CSGOというと、小さな頭一つを狙う精度が必要、弾がまっすぐ飛ぶ1発目を外すことが許されないなど、エイムに厳しい印象があり、止まるマウスパッドが使われる印象があるが、実際は違う。

むしろOWのプロの方が、きっちりと止まるマウスパッドを使っている印象すらある。例えば、OWLで多用されているG640も決して滑りまくるマウスパッドではないし、ZowieのG-SRシリーズにしても、滑るG-SR-SEより、滑らないG-SRの方を利用しているプレイヤーの方が多い。

これは私の考えでは、OWの方がハイセンシでプレイする割合が多いからだと思う。

OWは、エイムの比重が低いゲームだ。むしろ、どう動くかとかそちらの方がはるかに重要となる。一方でCSGOも、どう動くかや投げ物はもちろん重要ではあるけど、最終的にはエイムがないとどうにもならないとか、逆に、エイムでどうにかなってしまうことがある。特に、一撃で敵をやれる武器(AK, DE, AWPなど)があるため、クラッチシーンがよく起こる。OWでは当たり合いで一人欠けると極端に不利になったりもするが、CSGOでは1対3くらいのクラッチ(局面をひっくり返す好プレイの意)ならよくある。OWではこれはまずない。

OWでは、すばやく回りを見渡すことの利点が大きいため、多少エイムを落としてでも素早さを優先する。その中で少しでもエイムを良くしようと思うと、必然的に良く止まるマウスパッドを使うという決断になる。エイムがぶっ飛んでしまっては困るからだ。

CSGOのプロプレイヤーのn0thingは今までも彼のエイム理論の解説をしてきたが、実は彼はG440というハードマウスパッドを使っている。

C9 n0thing GAMING SETUP & GEAR - YouTube

より正確にいうと、Cloud 9の布マウスパッドの上に、G440の大きさを大きくした特注のマウスパッドを載せて使っている。

このスタイルはかなり昔からのようで、2014年(4年以上前)の記事でこのスタイルを採用していることがわかる。ちなみに奥に見える左手は、今はストリーマーで輝いているshroudのものだ。この時は、特注のハードマウスパッドはまだ作ってもらえてなかったように見える。

彼のマウスはG100というすごく古いもの(オールドスクールと呼んでいる)で、実はこのマウスを今でも使い続けている。理由は動画内で、「小さくて、シンメトリーな形が気に入ってるからだ」と述べている。では今ならなぜGProを使わないのかは謎である。

一方で、ローセンシを使っていてマウスを早く動かす場合には新しいセンサーの方がきちんとトラックするからオススメするとも言ってるが、彼のセンシは680edpiでかなりのローセンシ(振り向き30cmくらい)なので、n0thingはこの程度はローセンシとは思ってないのだろう。

このように、CSGOにおいてローセンシで正確に射撃することを優先すると、むしろ布マウスパッドによって余計な摩擦が起こってエイムに影響することを嫌ってハードマウスパッドを使うという選択もあり得てくる。

他にもCSGOの解説動画などで有名で100万人以上の登録があるWarOwlも、Artisanのマウスパッドを使っている。

WarOwl Setup Tour - YouTube

この動画では飛燕Vを使っていることがわかるが、

CS:GO Adjusting to a New Mouse - YouTube

他の動画では疾風乙を使ってたりもして、Artisanのマウスパッドのスーパースムースな点を気に入ってることがわかる。もちろん彼はプロレベルではないが、グローバルエリートでも多少余裕にプレイ出来るレベルの実力がある。

その他、AbsoluteのLazは以前はArtisanの零ソフトを使ってたし、s1mpleなどが使ってるHyper XのFury Sも滑るマウスパッドだ。

このように、プロやセミプロなどの実力があるプレイヤーでも滑るマウスパッドを使ってる人はいて、n0thingはもはや布の摩擦すら許せずハードマウスパッドを使ってしまっているのだから、CSGOで滑るマウスパッドが使えないという言説は完全に嘘であることがわかる。

最近、競技エイミング界ではハードマウスパッドを使い始める人がいたり、メタルマウスパッドという新しいタイプのハードマウスパッドに注目している人も出てきているが、エイムを究極に追求していくと人はハードマウスパッドに行き着いてしまうということかも知れない。