PSAとフリックは両立しないのではないか仮説

ゲーム間の異なるFOVでセンシを変換する場合に、どういう変換をすれば良いかで3つの方法が考えられる。

  1. 振り向き距離の一致
  2. モニター距離0%の一致
  3. ビュースピードの一致

私は今まで、モニター距離0%で変換するのが、

  • PSA
  • マイクロフリック

の両方を保存すると言ってきた。しかし、PSAについては嘘だったのではないかと考え直している。

PSAについて保存すると言ったのは、PSAをマイクロフリックの連続と近似的に考えたからだ。実際に、そのような方法でトラッキングエイムを行うプレイヤーもいる。

ではなぜ嘘ではないかと思ったのかというと、自身の経験から言って、モニター距離0%で変換した場合にPSAが明らかに

  • 遅くなる (FOVを下げる場合)
  • 早くなる (FOVを上げる場合)

という現象があるからだ。

また、過去の動画では、振り向き距離を保存したままFOVを変更してもPSAは保存されるということを示しており、例えば103から80に大きく変更すると、マイクロフリックは完全にオーバーシュートするようになるから、PSAだけ保存するというのはおかしい。

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この前提を受け入れると、そもそも1つのゲームの中でもPSAとフリックを両立させることは不可能という仮説に至ることが出来る。この仮説自体は、以下のようにして背理法で証明出来る。

2つのFOVの異なるゲームAとBがあったとする、それぞれのゲームで独立にあるセンシAとセンシBを見つけたとする。そしてこれらのセンシは、それぞれのゲームにおいてPSAとフリックの両方にとって最善であるとする。今、一方から一方への変換を考える。振り向き距離で一致させるとマイクロフリックが保存されないし、モニター距離で一致させるとPSAが保存されない。したがって仮定が間違っていることになる。

もしこれが正しいとすると、センシは、どのようなスタイルでエイムしたいのかに依存することになる。PSAを主軸にして的に向かってクロスヘアを落ち着かせたあとにエイムをするか、フリックを主体にするか。

個人的には、多くのFPSでは、PSAと振り向き角度を保存することに価値があると思う。例えば、マクリーのように一見フリックを多用するヒーローであってもほとんどの射撃はクロスヘアを相手にしっかりと合わせてから行うし、多くのゲームでは相手のアングルを管理しながら撃ち合うからだ。むしろ、画面内の距離だけを使ってエイムをすることの方が少ないと思う。一般的なFPSであれば、スナイパーのスコープショットなど、特殊な場合に限られるのではないか。

したがって今は、ヒップファイアセンシをゲーム間で保存した上で、覗きセンシをそのゲームにおけるヒップファイアとモニター距離0%で一致させるというのが最善ではないかと思っている。